松葉ガニやノドグロと合わせて山陰地方を代表する魚介、モサエビ。
足の速さ(傷みやすさ)や漁獲の少なさから「幻のエビ」とも呼ばれています。
そんなモサエビと見た目のよく似たガラモサ。
ざっくり言うと風味がよくどんな食べ方でも美味しい本モサ、甘みが強くお刺身向きで加熱すると身が縮みやすいガラモサといった違いがあります。
ここではそれぞれの違いや美味しさについて詳しくご紹介します。
※手前がモサエビ、奥がガラモサ
まずモサエビは正式名称で「クロザコエビ」、ガラモサは「トゲザコエビ」といいます。
モサエビは主に鳥取県や兵庫県北西部での呼び名で、地域によってドロエビ・ガサエビ・シロエビなどと呼ばれます。
ガラモサはガラエビ・クロエビとも呼ばれ、ガラモサの方だけをドロエビと呼んだりモサエビと区別しない地域もあるようです。
※左がモサエビ、右がガラモサ
同じエビジャコ科の仲間で、色と模様が若干違うもののそれ以外はほぼ同じ見た目をしています。
モサエビは近年ブランド価値の高まりと共にかなりの高値がつき、活きたものは特に希少。
お造りや塩焼きから唐揚げに天ぷら、醤油で炊いたりコロッケや真薯(しんじょ)とどんな調理法でも持ち前の旨味を楽しめます。
モノにもよりますが基本的に加熱しても殻は硬くそのまま食べると少し食べ辛いのが欠点。
対するガラモサは甘みが強く本モサに比べて加熱した後殻が柔らかくなるのが特徴。
お刺身や唐揚げはモサエビより向いていますが、加熱すると身が縮みやすく崩れやすいので炊いたり天ぷらにするのは不向き。
また、本モサよりさらに足が早く黒くなりやすいため比較的手頃な価格で取引されています。
生には劣りますが両者とも冷凍も美味しく、特に船内で急速冷凍されたモノは解凍後すぐにお刺身として食べるなら生に引けをとらない美味しさ。
お刺身で食べる場合は解凍してすぐ黒くなり始めるため解凍タイミングに要注意、解凍したらすぐ食べれるようにしておくのがおすすめです。
当店では基本的に生の本モサエビを使用し、お造りや塩焼きでお出ししたり唐揚げなどは本モサとガラモサを状況に合わせて使い分けています。
モサエビが水揚げされないオフシーズンには冷凍物を使用する事もありますが、旬の季節は基本的に冷凍物を使用せず生や活のモサエビ・ガラモサをご提供しています。
当店で同時に出す事は少ないですが、どんな料理でも抜群に美味しいモサエビと弱点もあるけど光るものがあるガラモサ、旬の季節に食べ比べてみてはいかがでしょうか。